男性の4人に1人は発症すると言われているAGA。早期発見が治療のポイントとはよく聞きますが、果たしてAGAは完治するものなのでしょうか。
AGA治療のポイントを知るためにも、そもそもAGAは何が原因で起こるのか、薄毛や抜け毛のサインを見逃してはいけません。
今回この記事では、AGAの原因や治療のポイント、効果的な治療薬などを紹介します。薄毛が気になり始めた人や治療をしようか悩んでいる人は、ぜひ最後までお読み下さい。
目次
【結論】AGAは完治するとは言い切れない…

AGAは男性型脱毛症の略語であり、男性ホルモンが原因で起こる進行型の脱毛症です。男性ホルモン以外でも、食生活の乱れや加齢など人によって原因はさまざまだと言われています。
AGAは進行型なので完治するとは言い切れません。しかし、治療を続ければ改善が見込めるため、諦めないことが大切です。
治療を続けて、抜け毛が無くなり髪の毛が生えてきたと感じることができれば、それはまさにAGAを改善できたと言えるのではないでしょうか。
次の見出しでは、AGAの治療の大切さについてさらに細かく紹介します。
それでもAGAの治療はするべき!継続治療で改善する

AGAは進行型の脱毛症のため、治療しても意味が無いと思う人もいるかもしれません。ですが、それでもAGAの治療はするべきですし、何よりも諦めないことが大切です。
なぜならば、治療を継続して行うことで改善する可能性があるからです。
AGAの治療で最も重要となるのが、以下の2点になります。
- 現状維持
- 増毛効果
具体的にどのような治療になるのか見ていきましょう。
【現状維持】AGAは進行性!原因にあわせて脱毛抑制の治療
AGAは進行性の脱毛症なので、まずは薄毛の進行を止めて現状維持させることが大切です。現状維持には、主に以下の治療薬を使用します。
これらの治療薬には、脱毛を促す作用があるジヒドロテストステロンとテストステロンの結合を阻害する働きがあります。結果、脱毛ホルモンを作らないようにすることで脱毛を抑制し、現状維持を保つことが可能となるのです。
ですが、プロペシアは服用すると、副作用で勃起障害が起こる可能性があり、薬に対して不安を抱く人も多くいるようです。これは、プロペシアの服用により男性ホルモンが減少することが理由として挙げられます。
服用をやめれば勃起障害も改善すると言われていますので、万が一症状が起こった場合も焦らないで医師に相談することが大切です。
【増毛効果】頭皮環境を整える + 髪を成長させる治療
AGAの治療は、これ以上進行しないために現状維持を行いつつ、頭皮環境を整えて髪の毛を成長させることも重要です。髪を成長させるために効果的な治療薬は、ミノキシジルです。
- 血管を広げる(血行促進効果)
- 毛母細胞を活性化させる効果
頭皮の血流が改善されれば、髪の毛に大切な栄養が行き届きやすくなるので発毛効果が期待できるという訳です。
また、毛母細胞は新しい髪の毛を生やすのに欠かせない細胞です。
AGAは進行性の脱毛症であるからこそ、これ以上薄毛を進行させないように食い止めつつ発毛を促す治療をしなくてはいけません。
そもそもAGAの原因は?遺伝だけではないので要注意

AGAの原因は、大きく分けると3つあります。
- 遺伝
- 男性ホルモンの変化
- 生活習慣やストレスなどの環境
よく、父親や祖父が薄毛だと将来自分もハゲるのではないかと不安になる人もいると思います。
確かにAGAは遺伝する可能性が高いと言われていますが、実は遺伝以外にも原因は考えられるのです。
ここでは、遺伝以外の原因と考えられる残りの2つについて詳しく紹介します。
【男性ホルモンの変化】酵素によってヘアサイクルが乱れる
酵素の5aリダクターゼと、テストステロンが血液を通じて結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)に変化します。このDHTがAGAの原因の1つです。
DHTに変化した男性ホルモンは、さらに男性ホルモンレセプターと結合することで脱毛因子を増やし始めます。脱毛因子が頭皮に指令を出すと、毛母細胞は活動を停止してしまいヘアサイクルが乱れてしまうのです。
十分に髪の毛が成長しないまま、ヘアサイクルが乱れて退行期から休止期へと移行すると、髪の毛は細く・短いまま抜け落ちてしまいます。
それ以降も、髪の毛は十分に成長することができないままの状態なので、薄毛が目立って次第に抜け毛が進行していくのです。
【生活習慣とストレス】乱れた食生活や運動・睡眠不足など
AGAは、生活習慣とストレスも大きな影響を与えていると言われています。特に、以下に当てはまるという人は注意が必要です。
- 食生活の乱れ
- 運動不足
- 睡眠不足
炭水化物ばかり、お菓子ばかりといった食生活の乱れが目立つ人は、髪の毛に必要な栄養が不足するため薄毛になりやすくなります。髪の毛に大切なたんぱく質やミネラル・ビタミンなど栄養バランスを考えなくてはいけません。
また、有酸素運動を積極的に取り入れることで、毛細血管を活発にさせる働きがあると言われています。ウォーキングや軽いジョギングでも構いませんので、毎日続けられる運動を見つければ、自律神経やホルモンバランスも整いやすくなるでしょう。
そして睡眠は、髪の毛の成長ホルモンの分泌を促すのに欠かせません。規則正しい生活を心掛けて、今一度生活習慣を見直してみましょう。
【必見】AGAの進行状況別に効果的な治療薬や治療法

AGAは個人の進行状況により、効果的な治療方法や治療薬が異なります。治療のポイントとなる進行状況は大きく分けて3つあります。
- 抜け毛が気になりはじめる
- 薄毛が気になりはじめる
- 投薬治療では効果がみられない
AGAかもしれないと思っても、自分で今の進行状況を見極めるのは難しいので必ずクリニックで診察を受けて下さい。
そうすれば、医師が進行状況に合わせて、効果的な治療法・治療薬を処方してくれますので安心して治療が受けられるでしょう。
AGAは進行性の脱毛症なので、現状を知ることはとても大切です。間違った治療は症状を悪化させる恐れがあるため、十分に気を付けなくてはいけません。
次の見出しからは、ここで紹介した3つの進行状況をより細かく紹介していきます。
【状況①】抜け毛が気になりはじめた…

「お風呂で髪の毛を洗っているときに、いつも以上に髪の毛が抜けるような気がする。」「朝起きたときに、枕に髪の毛が大量に抜け落ちている」
このように日常で抜け毛が気になることはありませんか?
抜け毛を抑制する薬の中でも、最も有名なのがプロペシアです。また、AGAの新薬であるザガーロも、さまざまな脱毛タイプに効果的だと言われています。
ここでは、この2つの治療薬について詳しく紹介します。
プロペシア|脱毛を抑制!ジェネリック医薬品も登場
プロペシアは、脱毛の原因である脱毛ホルモンを抑制する効果があります。テストステロンと5aリダクターゼが結合しないようにブロックするため、薄毛の進行を防ぐことが可能です。
ただし、プロペシアは脱毛を抑制する働きのみのため、髪の毛を増やす作用はありません。そして、人によってはプロペシアを使っても、効果が出ない恐れもあるため注意が必要です。
プロペシアは、ジェネリック医薬品のフィナステリド錠も登場し、価格も安く購入することができます。費用をできる限り抑えたいという人は、医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。
また、持病がある人は薬の成分を抑えて処方することもありますので、必ず診察時に医師に伝えましょう。
ザガーロ|様々な脱毛タイプに効果的!期待のAGA新薬
ザガーロは、プロペシアと同じで脱毛の原因である脱毛ホルモンを抑制する働きがあるAGAの治療薬です。プロペシアとの違いは、5aリダクターゼのⅠ型とⅡ型の2つを抑制する効果があるということ。
プロペシアはⅡ型のみを抑制するため、人によっては効果が見られないこともあり、まさに様々な脱毛タイプに効果が期待できるAGA新薬なのです。
ザガーロとプロペシアは、ともに医師の処方が必要となるため薬を購入する際は全額自己負担になります。クリニックにより薬代は異なりますが、1ヶ月あたり8,000円~16,500円くらいが相場のようです。
プロペシアの薬代はおよそ7,500円~15,000円くらいであることから、費用も1割程度しか違いがありません。
【状況②】薄毛が気になる…毛を増やしたい!

進行状況の1つ目では、抜け毛が気になる人に対して、抜け毛を抑制する働きがある治療薬を2つ紹介しました。
次のポイントは、薄毛です。
ここでは、発毛・育毛を促す効果が期待できるミノキシジルについて紹介します。ミノキシジルは、テレビCMなどで多く取り扱われている育毛剤の成分のため、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
では、詳しく解説していきます。
ミノキシジル|頭皮の血行促進!発毛・育毛を促す
ミノキシジルは、血管を拡張して頭皮の血行を良くする働きがあります。それにより、一度抜け落ちてしまった毛根や血管の再生を促し、毛母細胞に多くの栄養を行き届かせることができます。
毛母細胞に栄養が届けば新しい髪の毛が育ちやすくなるため、結果的に発毛・育毛効果がみられるという訳です。また、ミノキシジルは毛母細胞の死滅を抑制し、脱毛を予防する効果もあります。
ただし、ミノキシジルは高い効果が期待できる反面、外用薬では頭皮のかゆみやかぶれ、内服薬では頭痛やめまいといった副作用が起こるリスクもあります。使用する際には、必ず医師や薬剤師の指示通りにしてください。
【状況③】投薬治療では効果がみられない…

プロペシアやザガーロ、ミノキシジルなどの投薬治療を行っても思うように効果がみられない人もいると思います。
ですが、AGAの治療法はそれだけではありません。ここでは、今話題となっているAGAの最新治療法である注入治療と、毛根を移植する自毛植毛とは何かについて紹介します。
注入治療|話題の最新治療法!効果的な成分を直接頭皮に
注入治療は主に、以下の治療方法があります。
- パピュール法
- ダーマローラー法
- ノンニードル法
パピュール法は注射針、ダーマローラー法は針が付いている医療用のローラーを使って、直接頭皮に成分を注入する治療法です。ノンニードル法は針を使わず、炭酸ガスで成分を散布します。
針を頭皮に刺すのが抵抗あるという人は、麻酔を用意しているかどうか事前に確認すると良いでしょう。
注入治療には2つの方法があります。
より高い効果を期待するのであればHARG療法がおすすめですが、料金もそれだけ高くなることが見込まれます。
自毛植毛|高額だが効果抜群!健康な毛根を移植する
自毛植毛は、自分の健康な毛母細胞を使って薄毛の箇所に移植する治療方法です。上手に定着すれば、髪の毛が半永久的に生えるようになりAGAの継続治療が必要なくなります。
- 自分の健康な髪の毛がある程度残っていること
- 髪の毛が定着しないこともある
自毛植毛は、脱毛ホルモンの影響を受けていない健康的な髪の毛が必要となります。症状の進行度合いによっては、治療が出来ない可能性がありますので気を付けましょう。
また、自分の髪の毛なので定着率は高いですが、頭皮の環境によってはなかなか定着しない人もいるようです。自毛植毛をしたからもう大丈夫とは思わず、日頃から薄毛にならないためのケアも必要です。
効果がでるまで平均6カ月!治療を続けることが大切
AGAは、治療開始すればすぐに効果がみられるわけではありません。人によって効果に差はあるものの早い人で3ヶ月程度、通常でも6ヶ月を目安に根気よく治療を続ける必要があります。
一度AGAの影響を受けた毛根は、髪の毛が抜けきらないと発毛をしません。そのために、ヘアサイクルをリセットする必要があります。
新しいヘアサイクルが始まれば薬の効果を実感し始めるため、平均して6ヶ月以上の治療が大切となる訳です。
まとめ|適した治療でAGAの進行を早くとめよう!

AGAは完治するのか、進行状況別の効果的な治療法や治療薬についてなどを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
AGAは進行性の脱毛症なので、完治するとは言いきれません。ですが、進行を抑えて改善する治療をすれば薄毛を食い止めることが可能です。
AGAは進行状況に合わせて、適した治療をする必要があります。正しい治療を行うためにも、クリニックに行って診察や検査を受けることをおすすめします。また、投薬治療で効果が得られないという人も、注入治療や自毛植毛などを使った治療方法もあります。
ただし、これらを含めたAGAの治療は、自由診療のため全額自己負担になります。カウンセリングの時に、料金がどれくらいかかるのか事前に聞いておくと安心です。
自分に合った治療法を見つけて、これ以上AGAが進行しないようにしましょう。