AGA(男性型脱毛症)の治療を考えていらっしゃる方は、一度はAGA治療薬の利用を検討したことがあるかと思います。
AGA治療薬で有名なのが、日本での販売歴も長い「プロペシア」です。プロペシアは有名なのですが、価格が高いのが難点です。AGAの治療は、長期間にわたって継続して行うことが重要ですので、薬が高いとその分経済的な負担も大きくなります。
そこでおすすめしたいのが、プロペシアと効果が変わらないのに価格が安い「フィナステリド」。
この記事では、フィナステリドの気になる効果・費用・期間から副作用まで解説していきます。
目次
フィナステリドとは?プロペシアのジェネリック医薬品

フィナステリド?聞いたことないけど、安いということは効果に問題があるんじゃないの?と思う方がいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。「フィナステリド」には、「プロペシア」と同じ有効成分が含まれています。
そもそもジェネリック医薬品とは、先発薬と効き目が同等であることを証明する様々な試験を実施して、厚生労働省の承認を得て製造・販売された医薬品のことです。有効成分だけでなく、品質や安全性も同等であると認められています。
ジェネリック医薬品は治療をより身近なものとしましたが、AGA治療においても同様です。脱毛を抑制する効果の高い「プロペシア」のジェネリック医薬品として「フィナステリド」が登場したことはAGA治療の大きな進歩と言えます。
先発薬の【プロペシア】は国内で初認可のAGA治療薬

国内で初めて開発・承認・販売された薬は、「先発薬」と呼ばれます。医薬品のもとになる有効成分や製造方法の特許期間が切れるまでは、先発薬を開発した1社のみが販売できます。
先発薬の価格は、販売に至るまでにかかった膨大な費用や期間を踏まえて設定されます。対してジェネリック医薬品は、研究・開発にかかる費用が少ないため先発薬の価格より安く販売することが可能に。
プロペシアは、2005年10月に日本で初めて厚生労働省から承認されたAGA治療薬です。そして特許期間は2015年春まででした。それ以降は先ほど説明した通り、同じ有効成分を含み先発薬よりも価格の安いジェネリック医薬品の「フィナステリド」が販売されることになりました。
フィナステリドで得られる効果!脱毛メカニズムも解説

先発薬のプロペシアと同様の効果が得られるフィナステリドですが、AGAの治療にどのように効果があるのでしょうか、AGAのメカニズムとともに見てみましょう。
5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素と、いわゆる男性ホルモンと呼ばれるテストステロンが結びついて、DHT(ジヒドロテストステロン)という脱毛ホルモンが分泌され、毛母細胞を攻撃しています。
毛母細胞が弱ることで、元気な毛が生えてこなくなるのです。これがAGAのメカニズムです。
脱毛の原因となる【酵素5αリダクターゼ】の働きを抑制!
AGAのメカニズムを理解したところで、フィナステリドが、AGA治療にどのように効果があるのか確認してみましょう。
還元酵素である5αリダクターゼと男性ホルモンのテストステロンが結びついて、DHT(ジヒドロテストステロン)という脱毛ホルモンが分泌。毛母細胞を攻撃します。
フィナステリドを服用することで、還元酵素5αリダクターゼの働きを抑制することができ、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を防ぐことができるのです。
AGAの進行を防ぐには、まず脱毛の元になる原因をシャットアウトしてしまうことが重要です。
5αリダクターゼの働きを抑制するには、AGA治療薬であるフィナステリドを服用する方法が最も効果が高い治療法です。
毛が増える?抜け落ちるはずの毛がしっかり成長する◎
フィナステリドの効果を説明しましたが、5αリダクターゼの働きを抑制すると具体的にどのような効果があるのでしょうか。
それは、抜け落ちるはずの毛がしっかり成長することです。
脱毛ホルモンである、DHT(ジヒドロテストステロン)は、毛母細胞を攻撃して、健康なヘアサイクルを阻害します。その結果、毛髪は育つ前に弱って抜け落ちてしまいます。
- 成長期・・・2~6年 ⇒ AGAになると数カ月~1年に
- 退行期・・・2週間
- 休止期・・・3~4カ月
毛母細胞は、健康に育つことができるので、しっかりと成長して抜けにくい毛になります。今まで抜けていた毛がしっかり黒々と育って残ることで、細くて少なかった毛髪の状態より毛が増えたように見えるのです。
他の治療薬に比べて安い?フィナステリドの費用と期間
AGA治療薬の効果が十分あるのはわかりましたが、治療を始めるうえで気になるのは、治療にかかる費用と治療薬の効果がでるまで飲み続ける期間だと思います。
「AGA治療薬ってすごく高い薬で、飲み続けるには相当な費用がかかるんじゃないの?」
「AGA治療薬を飲み始めたら、一生飲み続けなくてはいけないんじゃないの?」
など治療を始めるにあたり、疑問に思われているかと思います。
そのような疑問について、費用や服用を継続する期間を詳しく解説していきます。
国内では10社から発売!1ヶ月【4,000円~】購入可能
フィナステリドは、日本では現在10社から販売されています。
先発薬のプロペシアは、MSDという製薬会社1社からのみ発売されていますが、同じ製法でつくられたジェネリック医薬品が、他の9社から販売されています。
薬の有効成分は同じですので、どの会社から販売されている薬を飲んでも効果は同じですが、医薬品のため副作用が発生するリスクもあります。もし副作用が起きた場合に相談のしやすいように、信頼できるクリニックから購入されることをおすすめします。
では、その費用はどれくらいかかるのでしょうか。
ジェネリック医薬品のフィナステリドは、大体の目安として1ヶ月あたり4,000円~服用可能です。先発薬のプロペシアの相場は6,000円ですので、嬉しいことに3割ほど安く手に入れることができます。
4,000円前後で販売しているフィナステリドを紹介しますので、ぜひご参考ください。
フィナステリド錠 0.2mg、1mg 「ファイザー」 ファイザー株式会社 |
¥3,400〜 |
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フィナステリド錠 0.2mg、1mg 「トーワ」 東和薬品株式会社 |
¥4,300〜 |
1日1回飲むだけ!半年ほどで効果実感&継続的な服用を
価格のほかに気になるのは、効果が出るまでの期間だと思います。
現在、医学的な根拠等を基準に考えると、フィナステリドが十分に効果を発揮するのは、1日1錠の服用を半年継続してからと言われています。
「AGA治療薬を飲んでも効果がなかった」という口コミをAGA治療薬のレビューなどで見ることがありますが、このような場合のほとんどは、半年以上継続して服用するのではなく、途中で服用をやめてしまった人の口コミです。
風邪薬のように飲み始めてすぐに効果はでない!ということを、治療始める前に頭の中に入れておきましょう。1日1回で続けやすい服用量なので、まずは飲み続けることが大切です。
フィナステリドに副作用は?発現率は約1%と低い!

フィナステリドは、長期に服用し続けることで効果を発揮することがわかりましたが、気になるのは、フィナステリドを飲み続けることで起こる副作用ではないでしょうか。
医薬品を服用することで、少なからず副作用が発生する可能性があります。副作用が全くない医薬品は世の中には存在しません。
フィナステリドの場合、臨床試験で副作用が発生した確率は、約1%とかなり低いです。そのため過度に心配する必要はないですが、どんな副作用が起こるのか、安全に服用するためのポイントを知っておきましょう!
ごく稀に【性欲の減退・勃起不全・肝機能障害】の可能性
フィナステリドの副作用としては、以下が挙げられます。
- 性欲減退(リビドー減退)
- 勃起不全
- 肝機能障害
これらは、フィナステリドを飲んだから必ず発生する副作用ではなく、かなり低い確率で発生するものです。
近年の臨床実験のデータでは、性欲減退は1.1%、勃起機能不全は0.7%、肝機能障害は、0.1%以下でした。(出典:フィナステリドを主成分とする「プロペシアの添付文書」)
フィナステリドの副作用は、発生する可能性はあるものの、気にする程度ではないというのがわかります。
正しく服用すれば安全◎購入方法や保管方法は気をつけよう
フィナステリドも他の薬と同様に服用のルールがあり、正しく使うことで副作用が発生する可能性を限りなく抑えることができます。
よくある事例が、効果が出るのを早めたいため、通常の何倍もの量の薬を飲んだりすることです。服用する量が増えればそれだけ副作用の可能性も上がります。
購入も信頼できるクリニックから購入することが重要です。薬の通販サイトでフィナステリドが販売されていることがありますが、粗悪品や偽薬である可能性もあるので十分注意してください。
通販サイトで医薬品を購入する場合は、すべて購入者の自己責任になります。保管方法もクリニックでは、専門の医師が指導してくれますが、当然通販サイトではそのような指導もありません。
何かトラブルが起こった時も通販サイトでは対応してもらえません。自分のカラダの事なので、安全安心な方法で治療を行いたいですよね。
【必読】服用する前に!知っておきたい3つのこと

フィナステリドを服用する場合に事前に知っておく必要があることが3つあります。
- 脱毛パターンによっては、効果が出ない場合がある
- 同時の服用で効果が高い、AGA治療薬「ミノキシジル」
- 近年増加!個人輸入することの危険性
治療の効果を左右しますので、どれも治療開始前によく学んでおくことが重要です。それぞれについて詳しく解説していきましょう。
効果が出ない場合|前頭部や頭頂部のⅡ型酵素への作用のみ
AGA治療薬として、費用も安くて効果も十分に期待できるフィナステリドですが、使用する前に知っておくべきことがあります。
それは、5αリダクターゼⅡ型の抑制のみ効果あることです。残念ながら5αリダクターゼⅠ型が原因のAGAには効果がありません。
AGAの原因酵素である5αリダクターゼは2種類あり、分布場所も異なります。
- 5αリダクターゼⅠ型(側頭部や後頭部に分布)
⇒ フィナステリドの効果なし - 5αリダクターゼⅡ型(頭頂部や前頭部に分布)
⇒ フィナステリドの効果あり
あなたのAGAがⅠ型に由来するのか、Ⅱ型に由来するのかは、AGA治療を始める前に事前に遺伝子検査を受けて、原因となっている5αリダクターゼを特定することが重要です。
まずはご自身のAGAの原因を知ることが薄毛対策のカギになってきます。
直接的な発毛効果はなし|ミノキシジルとの併用がおすすめ
優秀なAGA治療薬ですが、フィナステリドそのものには毛髪を生やす効果はありません。
フィナステリドが得意とする効果は、AGAへの防御力を上げる効果です。つまりそれは毛を抜けにくくすることです。
一方で、発毛を促進させるAGA治療薬としては、ミノキシジルがあります。
ミノキシジルには、血管拡張作用があり毛母細胞に栄養分を運び、髪の毛を育成するのに働きかけます。発毛・育毛効果が高い薬です。ミノキシジルのみ服用しても、抜け毛が止まりません。
脱毛抑制のフィナステリドと発毛促進のミノキシジルの両方を使ってこそ、効果が十分に得られるのです。
国内薬をクリニックで処方|海外輸入は安全性の保証なし
今までにご紹介してきたAGA治療薬は、どこで入手できるのでしょうか?
入手方法は、「AGA専門クリニックで処方」「医薬品通販サイトから個人輸入」の2つ。AGA専門クリニックで、専門の医師から処方してもらう方法を強くお勧めします。
国内のAGA専門クリニックでは、診察の際にあなたのAGAについて専門的な検査やヒアリングを行います。その上で適切な薬を処方し、アフターフォローもしっかりしています。
一方、通販サイトで個人輸入した医薬品は安全性の保障はありません。医薬品も国内のものではなく、海外のものがほとんどです。
薬は体内に入り作用するものですので、極力安全性が高い、信用できるクリニックから購入しましょう。
他の治療薬も知ろう!【ミノキシジル】や【ザガーロ】

本編で紹介したフィナステリド以外のAGA治療薬もありますので、ご紹介させていただきます。
- ミノキシジル
- ザガーロ
ミノキシジルは、塗り薬とタブレット(飲み薬)の2種類があります。効果は、頭皮の血管の拡張を促し、血流がよくなることで、毛母細胞が活性化し発毛を促進すると言われています。フィナステリドと併用した方がより効果が高いことが様々な試験で証明されています。
ザガーロは2015年に登場した新薬で最大の特徴は、5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型どちらも阻害することができる点です。
プロペシア、フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型のみに作用し、頭頂部や前頭部の薄毛に効果があります。ザガーロは加えて、側頭部や後頭部の薄毛にも効果があるため、幅広い薄毛パターンに対応できます。
しかし、新薬でまだジェネリック医薬品の販売がされていないため、価格が高いのが難点です。
まとめ|信頼できるクリニックで処方してもらおう!

「フィナステリド」はAGAの治療薬で、先発薬「プロペシア」のジェネリック医薬品で抜け毛を防ぐ効果があることがわかりました。
効果がでるのは半年以上たってからですので、服用期間は最低でも半年以上続けることが重要。合わせて、フィナステリド自体に発毛効果はないので、発毛効果のあるミノキシジルと併用して服用することが効果を十分に発揮します。
購入は、海外から個人輸入するのではなく、AGA治療を専門に行っているクリニックで専門家から症状を判断してもらった上で処方してもらうのが安全で確実です。
まずは長く付き合える信頼できるクリニックを見つけるためにもAGA専門クリニックでカウンセリングを受けてみましょう。