AGAの原因

AGAの原因は遺伝ってホント?薄毛のメカニズムと予防・治療法について徹底解説!

「家族が薄毛だから自分もなるのかな?」「父親が薄毛ではないから大丈夫!」

このように薄毛は遺伝によるものだと考える人は少なくないです。この記事では薄毛と遺伝の関係性から予防法・治療法まで解説していきます。

そして、薄毛を改善したいと考えている方にお伝えしたいのが、知識を備えて適切な対策をとることにより、薄毛は防止や改善が可能であることです。

この記事を読んで、薄毛のメカニズムや防止するための対策、薄毛から生還するための方法を一緒に学んでいきましょう!

【図解】薄毛のメカニズムは?脱毛ホルモンが分泌

薄毛のメカニズム

なぜ人はハゲるのか。不思議に思いませんか?

正しい知識備え、メカニズムを理解しておくことが、薄毛対策には必要です。薄毛対策でも何が薄毛の原因なのか。まずは原因を知ることが薄毛治療の第一歩になります。

頭髪とAGAの仕組みを図解していきましょう。

5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素と、いわゆる男性ホルモンと呼ばれるテストステロンが結合。DHT(ジヒドロテストステロン)という脱毛ホルモンが分泌され、毛母細胞を攻撃しているのがわかります。

毛母細胞が弱ることで、元気な毛が生えてこなくなるのです。

薄毛対策には、このDHTを抑えることが重要になってきます。

AGAの原因には遺伝が関係!薄毛になりやすい遺伝子

遺伝子

みなさんも「ハゲは遺伝する」とは一度は聞いたことがあるかと思います。

お父さんやお祖父さんがハゲか薄毛の人は、薄毛になる可能性がありますが、それはいったいどうしてでしょうか。

その原因は、アンドロゲンレセプター(以下AR)遺伝子と関係があります。

先ほど説明した、DHTがAR遺伝子と結合することで、毛乳頭から脱毛を誘発する因子が分泌されて、脱毛が促進されます。

DHT(ジヒドロテストステロン)  毛母細胞を攻撃して育毛を抑制

DHT(ジヒドロテストステロン)+AR遺伝子  脱毛を誘発

このダブルパンチで薄毛が促進されるのです。

①DHTの原因となる酵素【5αリダクターゼ】の活性度

DHTを作り出す原因となる酵素の5αリダクターゼについてもう少し詳しく説明していきましょう。

この物質がテストステロンと結びついて、DHT(ジヒドロテストステロン)になることは、先ほどもご説明しました。

5αリダクターゼは、体内で発生する還元酵素と呼ばれる物質です。この還元酵素と呼ばれる酵素は、その活性度が高ければ高いほど、活発に男性ホルモンのテストステロンと結びついてDHT(ジヒドロテストステロン)に変化しようとします。5αリダクターゼの活性度は遺伝すると言われています。

活性度については、後にご紹介する遺伝子の検査キットやクリニックでの遺伝子検査などで調べることが可能。5αリダクターゼの活性度を下げるために対策や治療をすることも大切です。

②男性ホルモンの受容体【アンドロゲン】の感受性

AGAの原因のもう一つである、男性ホルモンの受容体であるアンドロゲンレセプター(AR)遺伝子には感受性があります。

遺伝子の感受性とは、 特定の疾患または障害に対して生殖細胞系の突然変異によって、敏感に反応してしまうことを言います。

この感受性の高さにより、アンドロゲンレセプター(AR)遺伝子のDHT(ジヒドロテストステロン)との結びつきやすさが決まるといわれています。

このアンドロゲンレセプター(AR)遺伝子の感受性の高さは、後天的に決まるものではなく、生まれつき遺伝子情報の中に含まれているものです。

つまり、薄毛になりやすいかどうかの要素は生まれつき遺伝子により決まっていることになります。

両親からの遺伝だけ?母方の祖父からの隔世遺伝も

遺伝子

AR(アンドロゲンレセプター)遺伝子の感受性は、生まれつきの遺伝子情報によりあらかじめ決まっているというお話をしました。

AR(アンドロゲンレセプター)遺伝子の感受性の高さを決める遺伝子は、母方から受け取る遺伝子情報のX染色体に含まれています。

そのため母方の祖父母からもAR(アンドロゲンレセプター)遺伝子の感受性の高さも遺伝します。

逆に父方の親戚に薄毛の人がいても、それほど気にすることはありません。さきほど述べたように、薄毛の原因になるAR(アンドロゲンレセプター)遺伝子の感受性は、父方からの遺伝の影響はうけません。

あなたの薄毛が遺伝が原因のAGAか確認するには、母方の親戚に薄毛の人がいるかをチェックすることが重要です。

早期発見がカギ!自宅やクリニックでAGA遺伝子検査

遺伝子の検査

AGAに大きな影響を与えるやっかいなAR(アンドロゲンレセプター)遺伝子ですが、自分ではどうしようもできないのが困ったところですよね。

薄毛対策をするのにもAR(アンドロゲンレセプター)遺伝子の感受性が高いか、低いかにより、解決のためのアプローチ方法が変わってきます。そのためにAGA遺伝子検査を行って、ご自身のAR(アンドロゲンレセプター)遺伝子について良く知ることが重要になります。

AGA遺伝子検査の方法は、大きく分けて2つあります。

  • 市販の遺伝子検査キットを使って自宅で行う方法
  • クリニックで専門家である医師に検査を依頼する方法

それぞれの方法について詳しく解説していきます。

自宅で簡単!【遺伝子検査キット】が1万円台から購入可能

遺伝子検査キットで検査を行う最大のメリットは、何と言っても手軽にAGA検査ができること!

市販されているキットを購入して自分で検査することができるので、自宅ですぐに行うことができます。

遺伝子検査キットの3ステップ
  1. 遺伝子検査キットを購入する
  2. 付属している検査キットで口腔粘膜か唾液を採取する
  3. 採取したものを検査機関に郵送する

Amazonでも検査キットを販売しているので、近所に取扱店舗がない場合でもすぐに手に入ります。

気になる費用は、13,000円~19,000円程度が多いようです。1万円台で自分が、AGAの原因であるAR(アンドロゲンレセプター)遺伝子を持っているか簡単に確認できます。

薄毛対策をこれから考えている方は、お手軽にできる遺伝子検査キットから始めてみるのもいいかもしれませんね。

遺伝子検査+専門家による【血液・頭皮検査】で現状把握へ

もう一つの検査方法は、クリニックで遺伝子検査と専門家による血液検査を受ける方法です。

クリニックで検査をするメリットは、自宅で遺伝子検査キットではできない、専門家による血液検査や頭皮検査を行ってくれるところにあります。

  • 頭皮検査
    問診や頭皮を実際に触って状態をチェックしたり、AGAについての説明、AGA治療について質疑応答ができます。
  • 血液検査
    ご自身の男性ホルモンの量やどのAGA治療薬が自分に合っているのかなどが確認できます。

このように遺伝子検査キットだけではわからない多くの事を専門家が丁寧に説明しながら教えてくれるのです。

どのような薄毛対策が自分に合っているか、専門家から直接聞いてアドバイスを受けたいのであればクリニックでの検査をおすすめします。

AGAは遺伝以外の原因も!年齢関係なく発症の可能性

遺伝以外の原因

AGAの発症の原因は、遺伝子によるものと解説してきましたが、実は遺伝子の影響の他にも原因があるのです。

食生活や睡眠、生活環境など、普段の生活の中で知らず知らずのうちに行っていることがAGAの原因になっていることがあります。つまり頭皮環境や生活習慣といった遺伝以外の要素で年齢に関係なくAGAになってしまう人もいるのです。

頭皮に良くない生活習慣をあらかじめ知っておいて、なるべくそういった生活を送らないようにすることが、AGA予防では大切です。

遺伝以外のAGAの要因について解説していきましょう。

【頭皮環境】強い刺激や皮脂の過剰分泌がヘアサイクルに…

遺伝以外にも、強い刺激や皮脂の過剰分泌が原因で頭皮環境が悪化し、その結果で薄毛になることがあります。

そういった頭皮環境を原因とする薄毛の代表的なものが「脂漏性脱毛症」です。頭皮の皮脂が過剰に分泌され、皮脂が毛穴をふさいでしまうことにより炎症が起きて発生する脱毛症のことです。

炎症を起こした頭皮では、頭皮にある毛母細胞がダメージを受け弱ってしまいます。ダメージを受けた毛母細胞は次第に弱って死んでしまい、しっかりとした毛に成長する前に弱く細い毛になってしまい、健康な毛よりも早く抜け毛になります。

こうした健全なヘアサイクルが乱れて、しっかりした毛が生えてこない頭皮環境や、毛が生えてきても成長できない頭皮環境になってしまうことが、薄毛に繋がる原因になります。

【生活習慣】偏った食生活、運動・睡眠不足、喫煙など

あなたが無意識のうちにとっている生活習慣により脱毛、薄毛が進行することがあります。

原因は、脂質などの多い偏った食生活、運動、睡眠不足、喫煙です。体に悪いものは、当然頭皮にも良くありません。

こういった良くない生活習慣を続けていると、体全体の血液の循環が悪くなり、頭皮の血行も悪化してしまいます。血液の循環が悪くなると毛母細胞に十分な栄養がいきわたらなくなり、髪が成長しにくくなってしまうのです。

血液の循環を良くするためにも生活習慣に気をつけましょう。

遺伝によるAGAも進行を防げる!予防・治療法を紹介

治療方法

AGAの原因であるAR(アンドロゲンレセプター)遺伝子による薄毛の進行は防げるのでしょうか?

現代の医療の力を借りれば薄毛は治ります!

今は、AGA治療薬といった、薄毛原因を根本からシャットアウトする医薬品が販売されているため、それを使った治療がメインになります。その他にも、AGA治療薬をアシストするための、頭皮環境を改善する育毛剤や発毛剤、注入薬やシャンプーなどがあります。

AGA対策には、どれか一つを使った治療を行うのではなく、様々な方向からアプローチしていくことで、確実に薄毛が改善していくのです。

AGA治療薬|毎日数錠でOK!原因酵素の働きを抑制させる

AGA治療で最も効果が高いのが、AGAの原因を根本からシャットアウトする医薬品を利用することです。

男性ホルモンと結びついてDHTを発生させる、5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素を阻害します。

使用方法は、1日数錠を飲むだけですので、それほど負担もないから続けやすいです。脱毛を抑制する効果のある治療薬、それぞれの名称と特徴を抑えておきましょう!

プロペシア
(一般名:フィナステリド
ザガーロ
(一般名:デュタステリド)
  • 2016年6月に発売された
  • 幅広い薄毛タイプに効果がある

育毛剤&発毛剤|有効成分が複数配合!毛の成長をサポート

体内から薄毛対策をするのがAGA治療薬です。体の外から毛の成長をサポートするのが、育毛剤と発毛剤です。

育毛剤と発毛剤の違いについて解説します。

発毛剤(=脱毛箇所に新たに髪の毛を生やす効果)

  • 血行を促進させて細胞に栄養を行き渡らせ、発毛を促進する
  • 毛母細胞を活性化させて、新しい髪の生成を促す

育毛剤=抜けにくい髪の毛を育てて抜け毛を防ぐ効果

  • 頭皮を清潔に保ち、髪が育ちやすい環境を整える
  • 薄毛の原因物質を防いで抜け毛を防ぐ

発毛剤で最も代表的なものが、ミノキシジルという有効成分が含まれた医薬品の「リアップ」です。第一類医薬品なので、病院に行かなくても手軽に薬局で購入することができるのがメリットです。

リアップの公式サイトはこちら

注入薬|頭皮に直接栄養!話題の最先端治療をクリニックで

近年、新たなAGA治療法が登場しました。HARG治療法と呼ばれる頭皮に直接栄養を注入するものです。

これは、頭皮に髪が生えるのを促進する細胞と髪の成長に必要なビタミンやアミノ酸を混ぜたものを注入して、毛周期を正常なサイクルに戻し発毛を促す方法です。治療法が合う方には絶大な効果があるようで、AGAが完治したといった報告もあるようです。

ただ、治療費が高額(1回8万円かかる薬を複数回注入する)です。利用する場合は、医師と良く相談したうえで治療するかどうかを決めた方がいいでしょう。

シャンプー|効果的成分や正しい方法で頭皮環境を整えよう

シャンプー

毎日しているシャンプーの方法だけでも頭皮環境に違いが出てきます。正しいシャンプーの方法を覚えて毛髪に理想的な頭皮環境を作りましょう。

正しいシャンプーの方法3ステップ
  1. まずお湯で軽く洗いながら毛髪と頭皮の汚れを落とします

    お湯で流すことで半分は毛髪と頭皮の汚れは落ちます。後のシャンプーの泡立ちが良くなりますので、丁寧にお湯で頭を洗いましょう。
  2. シャンプーを500円玉大に手に取ったら優しく洗いましょう

    シャンプーは洗浄成分が強く、頭皮に刺激が強い、「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸Na」などが入ったシャンプーは避けて、アミノ酸系かベタイン系の洗浄成分が入ったシャンプーを使いましょう。
  3. しっかりお湯ですすいでシャンプーの成分が残らないよう流す

    シャンプーすすぎが大切です。シャンプーの成分が頭皮に残ったままでは、頭皮が傷んでしまいます。

また日頃から、頭皮に効果的な成分の入ったシャンプーで行うことがおすすめです。以下の効果的な成分をぜひチェックしてみてくださいね。

<代表的なアミノ酸系洗浄成分>

  • ココイルメチルタウリンNa
  • ラウロイルメチルタウリンNa
  • ココイルメチルアラニンNa
  • ココイルグルタミン酸
  • ココイルアラニン

<代表的なベタイン系洗浄成分>

  • コカミドプロビルベタイン
  • ラウロイルプロビルスベタイン
  • ココアンホ酢酸

生活習慣|食事や睡眠を意識!適度な運動でストレス発散◎

頭皮環境の改善のためには生活習慣を見直すことも非常に有効です。

食事、睡眠、適度な運動を行うことで、血行が良くなりストレス解消にもなるため、頭髪環境が髪の毛が生えるための理想の環境になります。

脂質が多すぎる食事は、頭皮の毛穴のつまりの原因になり、脂漏性脱毛症を引き起こす恐れがあります。脂っこい食事はなるべく避けたいですね。

睡眠時間が、短すぎると疲労が蓄積して体がストレスを感じる状態になります。これも頭皮の環境に良くないので、睡眠不足にならない程度に最低限6~7時間は睡眠時間をキープしたいところです。

頭皮環境を改善するための運動は、ジョギングや自転車などの『有酸素運動』がベストです。有酸素運動をすると血行が良くなりストレス解消になります。息が切れるくらいの運動ではなく、おしゃべりができるくらいの強度がベストです。

まとめ|原因にあわせた方法で頭髪をゲットしよう!

対策

AGA対策について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

AGAの原因は、大きく分けて『遺伝の要素』『環境の要素』の二つあります。それぞれの原因で、とるべき対策が大きく異なりますので、ご自身の薄毛の原因を特定して、効果的な解決方法に取り組んでみてください。

まずは、AGAの専門家に相談して、専門家の意見を聞きながら薄毛の原因をきっちり特定して対策をすることが、最も確率が高く、結局はコスパがいい薄毛対策ではないでしょうか。

AGA対策はどれか一つでも効果を発揮するものではありません。できる対策が増えれば増えるほど発毛する確率は高くなります。ご紹介した方法を是非ためしてみて、フサフサの頭髪をゲットしてください!