多くの男性を悩ませるAGA男性型脱毛症。AGAは専門クリニックで適切な治療を受けることで改善が見込まれる症状です。
中でも、植毛治療は即効性があり、継続的な通院が不要であることなどから注目を集めています。
しかし、植毛治療を受けた後に気になるのが抜け毛。せっかく植えた髪の毛が抜け出すと不安な気持ちが膨らみます。
植毛治療は治療を受けた人の話を直接聞ける機会はめったにありません。そのため、手術後の抜け毛が、通常の過程で起こっているのか。それとも失敗なのかを測ることができません。
植毛治療を受けた後に髪の毛が抜ける現象について、パターンと原因を解説します。術後の正しいケアについてもご紹介します。
目次
【体験談】植毛治療後に毛が抜けることがある…
薄毛をなんとかしたい。そんな思いで高額な植毛治療に取り組んだにもかかわらず、治療後に髪がバラバラと抜け出すとかなりショックを受けます。
植毛治療を受け、抜け毛を経験した人の体験談をご紹介します。
【基本】そもそも植毛治療には2種類ある!
薄毛治療のひとつである植毛治療。植毛治療には大きく二つの種類があります。
AGAの治療として植毛を考える場合はまず、それぞれについて知識を獲得し、自分がどちらを希望するのか考えておくのがオススメです。
植毛の種類は次のふたつがあります。
- 自毛植毛
- 人工植毛
それぞれに、メリット・デメリットがあり、個人によって向き不向きがあります。自毛植毛と人工植毛、それぞれの特徴やどんな人に向いているのかについてみていきます。
自毛植毛|頭皮から毛根を採取して移植する方法
自毛植毛は、自分自身の髪を植毛する方法です。髪が残っている箇所を毛根ごと切り抜き、脱毛が進んでいる箇所に植毛します。
自毛植毛は、手術が完了し一定の時間が経てば、植毛した部分で髪が生え変わりを繰り返すようになります。自分の髪が自然に生えてきますので、アフターフォローが少ないのが特徴です。
自毛植毛のデメリットのひとつは、薄毛が進行しドナーとなる部分が少ないと手術が難しいということ。ドナー部分の髪のボリュームによっては、せっかく植毛してもスカスカで思うように行かないこともあり得ます。
自毛植毛を希望する場合は、ドナーとなる髪の毛が十分にあり、植毛すべき部分が少ない間に実施するのがよいでしょう。
人工植毛|合成繊維でできた人工毛を植え込む方法
人工植毛は、薄毛が進行している箇所にナイロンやポリエステルといった合成繊維素材の人工毛を受け付けます。自分の毛が少なく、自毛植毛ができない人や、植える髪の毛の量をコントロールしたいという場合に向いています。
人工植毛にはデメリットがあります。
まず、自分の髪の毛ではありませんので、植毛してもいずれ抜け落ちますが次の髪に生え変わることはありません。恒常的に髪のボリュームを保つには定期的にクリニックで処置を受ける必要があります。
また、人工毛は人間の体にとって「異物」ですので、拒否反応で皮膚トラブルが起こることがあります。同じく拒否反応でせっかく植えた髪が定着せず抜けてしまうことも。
人工植毛は副作用が多く、実施していないクリニックが多いのが現状です。クリニックによっては、副作用を考慮した新しい方法を取り入れて対応しているところがあります。
【必読】自毛植毛の後に毛が抜けた!考えられる3つの原因
自毛植毛をした髪の毛が抜け落ちてしまうことがあります。自毛植毛は価格が高額であることからショックは計り知れません。
自毛植毛の治療後、髪が抜け落ちる原因はいくつかあり、必ずも失敗による脱毛であるとは限りません。
髪が抜ける原因は次のものがあります。
- 手術したドナーの髪が、脱毛箇所に生着しなかった
- 自毛植毛が軌道に乗る過程、ショックロスによる脱毛
- 手術後のケアが不十分で抜け毛が起こっている
それぞれについて、解説します。
生着しない|全ての移植毛が生着することは難しい
自毛植毛を行った場合の生着率は90%以上とされています。自毛植毛における生着率とは、移植を受けた箇所の髪が自然に生え続ける確率です。
生着率が90%以上ということは、手術を受けた殆どの毛根が移植を受けた場所で、健やかに成長しているということです。
生着しない原因に、移植手術時の技術と対応が大きく関係しています。自毛植毛では、髪が生えている部分を切り取り、株を分ける作業を行いますがそのときの保存方法や、技術が生着率を決定します。適正かつスピーディに作業を行うことで、生着率はアップするとされています。
技術力が高く実績のあるクリニックであれば、移植工程がよりスムーズであるため95%以上の生着率を掲げているところもあります。
ショックロス|一時的に元々の髪の毛が抜けてしまう
自毛植毛を行うと、一時的に植毛箇所の周辺にある既存の髪が抜け落ちることがあります。ショックロスと呼ばれる現象で、自毛植毛の手術を受けてから1~2か月程度の間に生じることが多いとされています。
ショックロスは、自毛植毛を受けた人が全員経験するわけではなく約20%程度の人に現れます。脱毛が起こる時期にも個人差があります。
ショックロスは、自毛植毛の失敗による脱毛ではありません。原因についてははっきりしていませんが、自毛植毛手術の影響でヘアサイクルが乱れ、元からあった髪が抜けてしまうのではないかとされています。
ショックロスはあくまで一時的な脱毛であり、約1年程度で症状が落ち着いて気にならなくなります。
手術後の過ごし方で…|注意を怠ると髪が定着せず脱毛!
ショックロスによって移植した周辺の髪が抜けこととは別に、移植した箇所の髪が脱落してしまうことがあります。手術そのものによる生着率は90%以上ですが、手術後のケア次第で、髪が生着しないことがありますので注意しましょう。
自毛植毛は、外科手術の一種ですので術後しばらくは傷口があります。かさぶたが取れるまでは患部に触れるのはNG。強い刺激によって髪が生着せず脱落することがあります。
刺激は避ける必要がありますが、患部は清潔に保つことも重要です。丁寧に力をかけすぎないようシャンプーをしましょう。頭皮のお手入れを怠っていると、埃や皮脂による毛穴詰まりから頭皮環境が悪化し、髪が育ちにくくなります。
アフターケアについては、自毛植毛を行ったクリニックの指導を守り、心配があれば適宜相談するのが安心です。
【理解】知っておこう!植毛治療とヘアサイクルの関係性
自毛植毛を行った場合、治療後は自分の髪の毛が自然に生え変わっていきます。髪が自然に生まれだすまでには、今までに経験しない現象が起こることがあります。
髪の生え変わりには一定のサイクルがあります。自毛植毛はヘアサイクルと呼ばれる、髪の生え変わり期間に沿って、定着するものです。定着までには抜け毛などを経験することがあります。
抜け毛がある、なかなか定着しないといった悩みはヘアサイクルを知ることで払拭されます。
髪が生え変わりを表すヘアサイクルの仕組みについて解説します。
成長期・退行期・休止期を【3~6年間】で繰り返す
私たちの髪は、一本ごとにヘアサイクルに準じて生え変わり期間を持っています。髪の毛には成長期、退行期、休止期があり生まれてから、抜け落ちるまで個人差はありますが3~6年かかります。この生え変わりをヘアサイクルと呼びます。
頭皮に生えている髪の80%以上は「成長期」にあります。頭皮の中で髪が生まれ、成長している期間で2~6年程度がこの時期にあたります。
成長期が終わると1~2週間の髪の成長が止まる準備期間である「退行期」になります。
その後「休止期」では、3か月程度の時間をかけて髪の成長が完全にストップし抜け落ちていきます。
これらのヘアサイクルのいずれかの期間でなんらかのトラブルが起こると、薄毛が進行することになります。
植毛後に生え揃うまで【半年~1年間】は様子をみよう
植毛治療を受けた後、1週間程度は安静がベターです。植毛治療は手術ですので手術の傷がある程度、落ち着くまではできるだけ静かに過ごしましょう。
手術から1か月程度で、ほぼ日常生活に戻ることができます。この間に徐々に髪が定着し、手術の傷も治っていきます。
手術から2か月目くらいまでは、ショックロスと呼ばれる抜け毛が起こることがあります。通常の現象でありやがて抜け毛は減っていきますが、あまりに気になるときはクリニックに相談しましょう。
手術から半年くらい経過すれば、髪が生えだし効果を実感することができます。1年が経過するころには、髪が生えそろってくるでしょう。
手術から1年間程度は、経過観察にクリニックに通う必要があります。クリニックによってはオンラインで相談できることもあります。
人工植毛は最終的には抜け落ちる!メンテナンスが必要
AGAの植毛治療には、「自毛植毛」と「人工植毛」の二種類があります。
自毛植毛は自分自身の髪の毛を毛根ごと移植する手術。対する人工植毛は、ポリエステルやナイロンといった合成繊維でできた人工毛を脱毛が進んだ箇所に植えていく方法です。ドナーとなる髪の毛がなくても植毛できるのがメリットです。
自毛植毛は、手術後にきちんと定着すれば後は通常の頭皮と同じように自然と髪が生え変わります。
人工植毛の場合、時間が経過し抜け落ちると、次の髪の毛は生えてはきません。そのため、定期的に次の髪の毛を植えるなどメンテナンスをする必要があります。
また、人工毛は体にとって異物であるため皮膚トラブル等の拒否反応が現れることもあります。
【必見】植毛治療後に毛を保つための3つのポイント
脱毛に悩む男性にとって植毛治療は、救世主のような治療です。実際に、植毛治療によって髪を取り戻し生き生きとした日々を過ごしている人がたくさんいます。
メリットの多い植毛治療ですが、せっかく時間とお金をかけて治療をしてもうまく軌道に乗らず髪が生えないというトラブルも稀にあります。
植毛治療後にきちんと髪の毛を保つためには抑えるべきポイントがあります。
- クリニックを上手に選定すること
- 術後のケア指導を守ること
- 髪によい生活習慣を心がけること
以上3つのポイントについて詳細に解説します。
クリニック選び|生着率の高さや技術を重視しよう!
植毛治療を受けようと決めたらまずクリニックを選定します。インターネットなどで植毛専門クリニックを検索するとたくさん表示されてきます。
クリニック選びで重視すべきは、技術の高さと術後の生着率の高さです。
技術力、生着率を測るポイントのひとつは手術数と実績です。長年、植毛治療に携わり手術件数の多いクリニックは、経験が豊富で安心なクリニックといえます。
次に重要なのはアフターフォローについて。手術をしたらそれで終わりというクリニックは信用できません。手術後のケアについてもきちんと寄り添ってくれる体制があるかどうかをチェックしておきましょう。
植毛クリニックの中には、値段の安さや立地の良さをウリにしているところがあります。それも大切な要因ではありますが、まずは技術力が確かであることを確認するのが重要です。
安静にする|かさぶたが取れるまで刺激を与えない!
植毛手術は日帰りで行われることが殆どです。日帰りで出来るからといって、手術後すぐに日常生活に戻れるということではありません。
手術当日は、シャンプーなどはできません。就寝時は、傷口に負担がかからないよう柔らかすぎる枕は避けましょう。手術から1週間程度は、頭皮に負担がかかったり、強くこすることがないよう気をつけ運動もNGです。
手術跡のかさぶたがとれた状態になるまでは、刺激は厳禁です。シャンプーも、スプレー水などを使い丁寧に。タオルドライは避け、ドライヤーの冷風で静かに乾かしましょう。
飲酒もしばらくは我慢です。喫煙は少なくとも1か月は控えるのが望ましいとされます。
術後のケア次第で、髪の定着率は変わります。せっかくの手術を無駄にせぬよう、クリニックの指示を守るのが安心です。
生活習慣|食事や睡眠を見直そう!ヘアサイクルを正常に
植毛手術が終了すると約半年くらいから自分の髪が生え始め、一年くらいで効果がしっかり現れてきます。
植毛治療で取り戻した髪を長持ちさせるかどうかのカギは生活習慣にあります。髪に悪いとされる生活習慣を避け、健康的な生活を送ることで髪を保つことができます。
食事は、良質なタンパク質を取り入れ過剰な油分を避けるようにしましょう。野菜もしっかり摂ってください。
良質な睡眠は健康な髪を育てるために欠かせません。成長ホルモンが分泌される10時~2時の時間帯に休息を取ることで、髪の成長を促すことができます。
適度な運動を心がけ、喫煙などは控えるのがベスト。ストレスは大敵ですので、適度なストレス解消法をみつけておくのもオススメです。
まとめ|植毛治療の直後の抜け毛は心配無用!
AGAの治療法のひとつである植毛治療について、抜け毛が起こる理由について解説しました。
植毛治療の後、一定期間において髪が抜けるのは通常の現象です。多量に抜け毛が起こる場合や、術後1~2か月を過ぎても抜け毛が続くようであればクリニックに相談しましょう。
植毛した髪は、ヘアサイクルに乗って生え変わりを進めていきます。通常のヘアサイクルを取り戻すには1年程度の期間が必要と考えておきましょう。
植毛治療は、手術後の生活習慣やケアによってその後の髪の寿命に差が出ます。せっかく取り戻した髪がより長く生え続けるよう、ストレスのない健康生活を心がけるのがベターです。
上手なクリニック選びと、術後の心がけで健やかな髪を取り戻しましょう。