メスを使う植毛治療をすると、傷口から出血するため固まればかさぶたが出来ます。ですが、これはそのままにしておいても良いのでしょうか。頭皮なので自分でもチェックしにくく、目立つようなかさぶただと気になって仕方ないですよね。
そこで今回は、植毛治療後にかさぶたが出来ても大丈夫なのか、かさぶたの対処法などを解説します。早く取るコツを知っておけば、手術後に出来ても冷静に対処できますよ。
目次
植毛後にかさぶたはできる!【自毛植毛】の場合のみ
植毛治療には、大きく分けると自毛と人工毛の2種類があります。植毛後にかさぶたができるのは、自毛植毛をした場合のみです。
自毛植毛にも様々な種類がありますが、メスを使った手術をした場合は頭皮に切り込みを入れるため手術後に出血をすることがあります。出血量や期間は個人差がありますが、人によっては3~4日程度頭皮から血が出ることがあるため気を付けて下さい。
かさぶたはその後に出来るため、手術後1週間程度で出来ることがほとんどのようです。無理やりひっかいて取ろうとすると、再度出血して治りが遅くなるなどありますので気を付けましょう。もどかしいかもしれませんが、皮膚を傷つけないようにするにはそのままにしておくことが大切です。
かさぶたができる理由とは?治る過程で必要不可欠!
自毛植毛でメスを使った手術をすると、かさぶたが出来ることがわかりました。かさぶたができるとついつい頭皮が気になって触ってしまいますよね。
ここでは、どうしてかさぶたができてしまうのか、その理由を2つ詳しく解説します。自毛植毛を考えている人は、手術後どのようにして過ごせば良いのかわからない人も多いと思います。理由を知っておけば、出来てしまっても正しい対処が出来るでしょう。
理由①|【出血】するため!手術時の頭皮に傷がつく
自毛植毛は、健康な髪の毛(ドナー)を採取する際にメスを使用します。頭皮に直接切り込みを入れるので、頭皮に傷が付いて出血をするのです。
出血量や出血期間は個人差がありますが、平均して3~4日程度は血がにじむため、その期間中の生活は十分に気を付けて下さい。気になるからといって患部を必要以上触るのは雑菌が侵入する恐れがあるため絶対にやめましょう。
夜、寝ている時に無意識で頭皮を擦ってしまう人も中にはいるようです。寝ている時は、ほとんどの人が無意識のため、どうすることもできませんよね。痛みやかゆみがある場合は、寝る前に痛み止めを服用するようにしましょう。
上手に痛み止めを活用して、なるべく患部には触らないように工夫することが大切です。
理由②|【体液】が乾燥するため!傷を治すための成分
かさぶたは、単純に血が固まって出来たものではありません。出血すると傷口で固まって、浸出液とよばれる体液が出ます。その浸出液と血液が乾燥すると出来るのがかさぶたなのです。
浸出液は、出来てしまった傷を治すための成分が沢山含まれているため、むやみにひっかいてはいけません。
また、かさぶたが出来ると、皮膚が引っ張られるような感覚があり酷いとかゆみを伴いますよね。意識して取らないようにしないと、うっかり剥がしてしまう人もいるため注意が必要です。
腕や足であれば絆創膏を貼るなどの対処法がありますが、頭皮の場合はどうしたらよいのかわからない人も多いと思います。頭皮に出来たかさぶたの対処方法は、次以降の見出しで詳しく解説しますので、ぜひチェックして下さいね。
【注意】無理やりとるのはNG!トラブルに繋がる可能性
かさぶたが出来ると、傷口がかゆくなって思わず掻いてしまいますよね。ですが、気になるからと言って無理やり取ってしまってはいけません。皮膚にくっついている部分を剥がしてしまうと、また出血してしまいます。
そして、何度も何度もかさぶたを剥がし続けていると、知らない間に傷口が広がっていき、大きくなってしまうのです。
傷口から細菌が入ると、症状も悪化して化膿性肉芽腫などのトラブルが起こる可能性もあります。そうなると、髪の毛を増やすために手術をしたのに、できものを取るために再度髪の毛を剃らなくてはいけなくなります。
このようなトラブルを避けるためにも、絶対にかさぶたが出来ても無理やり取らないようにしましょう。
【必見】部分別に解説!かさぶたの期間と取れるタイミング
かさぶたは出来ても、無理やり剥がすのは良くないことを解説しました。ですが、自毛植毛をすると一体どれくらいの期間かさぶたが出来るのでしょうか。
ここでは、かさぶたが出来る期間やタイミングについて解説します。毛を採取する部分と移植する部分ではどのような傷が出来るのか、どのような処置をしてくれるのかがわかれば、メスを使った手術をしても安心ですね。
毛を採取する部分|ガーゼをするのでほとんど目立たない
自毛植毛は、健康な髪の毛(ドナー)を採取して移植するため、2箇所に傷あとが残ります。まず、毛を採取する部分ですが、後頭部の広範囲にわたり毛を採取するため一見するとものすごく傷口が広いように思えます。
しかし、採取する毛は毛穴ごとに取るため、実際の傷口は1㎜以下であり出血もごく微量です。かさぶたが出来てもかなり小さいので気になることもありません。
また、手術後は後頭部にガーゼをあてるため、傷口をしっかりと圧迫してくれます。出血してもガーゼが吸収してくれるので、かさぶたはほとんど出来ないと言っても良いでしょう。翌朝以降はガーゼも取ってしまうので、手術後1日で傷口もキレイに目立たなくなりますよ。
毛を移植する部分|2.3日後~できるが10日前後で取れる
毛を移植する部分とは、主に頭頂部や生え際になります。採取する部分とは違い、移植した箇所にかさぶたができるため注意が必要です。
かさぶたが出来やすい理由は、移植をするためにメスを使って皮膚に切れ目を入れるから。また、毛を植える作業の時にも血がにじみます。手術後しばらくは出血を伴うので、かさぶたはおよそ2~3日後に出来るのが一般的です。
かさぶたは、何もしないでいれば10日前後でポロポロと自然に取れていきますので我慢をして下さい。むやみに剥がそうとしてひっかいてしまうと、かさぶたに毛が絡んでいた場合、一緒に抜いてしまう恐れがあります。
かさぶたが気になる場合は、帽子などを活用して上手に隠しましょう。
植毛治療の効果を左右する?かさぶたの正しい対処法
植毛治療をすると、どうしても気になるかさぶた。無意識のうちにボリボリと掻いてしまう人も多くいると思います。ですが、自然にとれるものですので、絶対に無理やり剥がしとろうとはしないでください。
もし、我慢できずに剥がしてしまうと、自毛植毛の効果を左右する恐れがあるのを知っていますか。ここでは、植毛治療で出来てしまったかさぶたの正しい対処法について詳しく解説します。
何もしなくても自然に取れる!2週間程度は【辛抱】しよう
かさぶたは何もしなくても自然に取れるため、それまでは痒くても辛抱してください。かさぶたが出来てから、取れるまでの流れの目安は以下になります。
- 手術後2~3日…かさぶたが出来始める
- 手術後1週間程度…ポロポロとかさぶたが取れ始める
- 手術後10~2週間程度…ほとんどのかさぶたが取れる
ドナーを採取した箇所のかさぶたは、後頭部であることとガーゼを当てて圧迫するため、そこまで血が目立つわけではありません。ですが、移植した箇所はどうしても目立ちやすいので、早くどうにかしたいと思ってしまいますよね。
しかし、自然にはがれるのを待たずに掻いてしまいますと、治りが遅くなったり、症状が悪化したりする恐れがあります。ほんの少しの辛抱ですので、我慢して乗り切りましょう。
頭皮に【刺激】を与えない!生着前に取れるのを防ごう
縮毛治療では、移植した髪の毛が生着するまでにおよそ1週間程度の時間を要します。そのため、生着する前にかさぶたを取るなどの刺激を与えると、毛根が死んで移植した意味が無くなってしまうのです。
かさぶたが気になって掻いてしまうと、それが頭皮に刺激となり、傷口が広がるだけではなく髪の毛が生着しなくなります。そのため、かさぶたは自然に取れるのを待つか、1週間以上経って毛根が生着してから取りましょう。
かさぶたを取る方法は次の見出しで詳しく紹介しますが、乾いている状態では絶対に取らないで下さい。無理やり剥がすようなことをすると、生着していても強い刺激となる可能性があるため注意が必要ですよ。
生着した後はOK!上手に取るための【シャンプー方法】
かさぶたは自然に剥がれるのを待ったほうが良いですが、どうしても2週間は待てないという人もいると思います。この場合、毛根が頭皮に生着していれば、取っても構わないとされています。
ただし、上手に取るためには、以下の点に気を付けましょう。
- 植毛後から1週間以上経過している(生着している)
- 頭皮が乾いている状態では取らない
- お風呂で髪の毛を洗っている時に取る
- シャンプーは刺激の少ないものを使う
頭皮は濡れた状態のほうが柔らかくなるため、乾いた状態よりも上手にかさぶたが取れます。また、濡れている状態でも刺激を与えないように優しく取ることを意識してください。
【保存版】かさぶたを早くとるための3つのコツ

自毛植毛の手術後に出来るかさぶたは、出来れば早く取ってしまいたいですよね。ですが、間違った方法で取ると、傷口が悪化する恐れがあるため注意が必要です。
ここでは、早くかさぶたを取るために知っておくべき3つのコツについて紹介します。ただし、ムリは禁物ですので以下の方法で試してみても思うように取れない場合は、自然に取れるのを待ってくださいね。
適度に濡らす|霧吹きやシャワーで水分を与えよう!
自毛植毛で出来たかさぶたは、乾いた状態で絶対に取ってはいけません。どうしても取りたい場合は、シャワーや霧吹きをつかって頭皮を濡らして柔らかくして下さい。
ただし、かさぶたを取るのは手術後1週間以上が経過しており、毛根が生着してからにして下さい。生着する前に剥がしてしまうと、移植した毛根が死んでしまう可能性があります。
また、シャワーの水量にも気を付けましょう。あまりにも強すぎるシャワーをあてすぎてしまいますと、生着しているはずの毛根が刺激で死んでしまう可能性があります。
かさぶたが頭皮にでき始めると、どうしても痒くなってすぐに取りたくなるかもしれません。ですが、余程のことが無い限りは、自然にはがれるのを待ったほうが毛根のためになることを理解しておきましょう。
頭皮を清潔に|指の腹で優しく汚れを落として洗おう!
シャワーを使って頭皮を濡らしましたら、刺激の少ないシャンプーを使って髪の毛全体を優しく洗いましょう。シャワーでシャンプーを丁寧に洗い流したら、もう一回シャンプーを泡立てて洗ってください。
その時に、指の腹を使って優しく汚れを落とすようにして、かさぶたをゆっくりと剥がしましょう。最後にシャワーで洗い流せば完了です。
2回シャンプーをするのは、1度目ですと汚れが泡に付いている可能性があるからです。できる限りキレイな泡でかさぶたを取るためにも、シャンプーは2回で行ってくださいね。
また、早くかさぶたを取りたいからと言って、ゴシゴシと擦ってはいけません。指の腹を使って丁寧を心掛けましょう。
生活習慣に注意|激しい運動・喫煙・飲酒は控えよう!
かさぶたを早く取りたいのであれば、手術後の生活習慣を見直す必要があるかもしれません。特に気を付けなくてはいけないのが、以下の3つになります。
- 激しい運動
- 喫煙
- 飲酒
激しい運動は、血管が拡張することで出血量が増える可能性があります。傷の治りが遅くなる可能性があるため、手術後は3~4日程度は控えましょう。
また、喫煙は血管収縮作用があり、毛根に大切な栄養が行き届かなくなる可能性があります。生着率の低下につながるため、手術後3週間程度は控えてください。
飲酒は、激しい運動と同じで血行促進作用があり、出血量が多くなる可能性があります。手術後の翌日まではお酒は控えると良いでしょう。
周りにバレたくない!かさぶたを上手に隠す方法

植毛治療をすると頭皮にかさぶたが出来るため、目立つのではないかと不安になりますよね。特に、AGA治療をしたことを隠したいと思う男性も多いはず。
そんな時は、帽子を上手に活用してみて下さい。どうしても外出しなくてはいけない時に、サッと手軽に頭皮を隠すことが出来るのでおすすめです。
ただし、長時間被り続けるのは良くありません。帽子を長時間被り続けると汗で蒸れてしまいます。すると、皮脂が分泌して頭皮環境が悪化し、かさぶた周辺がかゆくなる可能性があるため注意が必要です。
もし、薄毛がそこまで進行していないのであれば、周辺の髪の毛を上手に使って隠すことも可能です。必要に応じて、隠しやすい方法を見つけてみて下さいね。
まとめ|かさぶたは自然に取れるのを待つのが安全!
自毛植毛をした後にかさぶたが出来る理由やかさぶたが取れるタイミング、上手に取るコツなどを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
頭皮にかさぶたが出来ると、かゆみも伴うので気になってしまいますよね。ですが、掻きむしると傷口が広がって治りが遅くなる、毛根が死んでしまうなどのデメリットがあります。
どうしてもかさぶたを取りたい場合は、手術後1週間以上経過しており毛根が生着していること、頭皮を清潔にして優しく取ることを心掛けましょう。
また、かさぶたを取るのはどうしても我慢できない場合に限るようにしてください。2週間程度我慢すれば自然に剥がれ落ちますので、出来れば頭皮に刺激を与えるよりも待ったほうが良いでしょう。
今回の記事を参考にして、手術後にかさぶたが出来てもあわてずに冷静に対処するように心掛けましょう。