多くの男性を悩ませる男性型脱毛症AGA。現在は専門クリニックで適切な治療を受けることで、症状を改善することができます。
AGAの治療に使われるのは、内服薬と外用薬です。治療薬のひとつ「ミノキシジル」には、多毛症という副作用があるとされています。
多毛症とは、すなわち体毛が濃くなる症状。中には副作用に困り、治療を途中でストップしてしまう人もいるほどです。
AGA治療において、ミノキシジルを使うことで多毛症が起こり得る理由と、体毛が濃くならないための予防法について徹底解説します。
目次
【事実】ミノキシジルで多毛症になることがある!
AGAの治療薬のひとつ、ミノキシジル。AGAの治療薬のテレビコマーシャル等で耳にすることもあり、一般的によく知られた成分です。
ミノキシジルには内服薬、外用薬の両方があり、ミノキシジルを使用してAGA治療をしている人の体毛が濃くなるという副作用が報告されています。
多毛症が現れるのは主に内服薬を使用した場合です。もちろん、AGA治療を行った全ての人に副作用が起こるということではありません。
ただ、多毛症が発症した場合、人によっては気になるあまりに、AGAの治療そのものを諦めてしまうということもあるようです。
AGAの治療を始める場合は、多毛症について知識を持ち、予防法を知っておくことで不安材料を減らすことができます。
そもそも多毛症とは?産毛が太く硬くなり濃い体毛へ
AGA治療薬のミノキシジルの副作用で発症する多毛症とは、具体的にどういう症状なのでしょうか。
体に生えている毛は全て同じではなく、太く濃い毛と、細く柔らかい産毛とがあります。髪の毛、眉毛、陰部や脇の毛が太く濃い毛。それ以外の体の皮膚に生えている細い毛が産毛です。
多毛症は、産毛だった毛が太く濃い毛に変化する症状です。毛そのものの本数が増えるわけではないのですが、色のはっきりした太い毛が生えていると目立つため、「多毛」になったように見えます。
薬の副作用やホルモンの病気などが原因で発症するとされる多毛症。体だけでなく、口周りなど顔にも多毛症の症状は現れ、除毛などで対応することになります。
ミノキシジルの副作用による多毛症は、服薬を中止すれば症状は終息します。
なぜ多毛症に?ミノキシジルの発毛促進の効果が原因!
AGAの治療には何種類かの薬が使用されます。その中で、多毛症という副作用を引き起こす原因になるのがミノキシジルです。ミノキシジルは内服薬、外用薬がありますが、主に内服薬で多毛症は起こります。
ミノキシジルを体に取り入れることで多毛症が起こり得るのは、その働きが原因です。ミノキシジルは発毛促進の効果があり、服薬した場合に頭皮だけでなく全身に影響が現れます。
AGA治療で用いられるミノキシジルには主に2つの効果があります。
- 血行促進の効果
- 成長因子の分泌促進
脱毛や毛髪の発育不全は、頭皮の栄養不足がひとつの原因です。毛包に届けられる栄養素が少ないと毛髪は十分に発育することはできず、新しい髪が生える環境にもなりません。ミノキシジルの血流促進の効果が、頭皮までしっかりと栄養が届くよう促します。
ミノキシジルのもうひとつの作用は、毛乳頭を刺激することで、髪の成長因子の分泌を促すことです。成長因子の影響を受けて、毛母細胞は活発に分裂を繰り返すことができます。細胞分裂が活発化することで元気な毛髪が生まれ成長するのです。
ミノキシジルには抜け毛を防止と発毛を促進する両方の効果があります。内服薬としてミノキシジルを服用した場合、発毛促進の一連の作用は頭皮だけでなく全身に影響するため多毛症という副作用が起こることがあります。
頭皮の発毛効果を実感するには【平均3~6カ月】
ミノキシジルをAGA治療に用いた場合、発毛効果が実感できるまでの期間は、内服薬で3~6か月。外用薬では半年以上とされています。
内服薬であれば、早い人は3か月程度でその効果が現れることもあります。
ミノキシジルの発毛・脱毛抑制効果はヘアサイクルに準じて現れてきますので、ある程度の時間が必要です。徐々に抜け毛が減少し、髪が生えそろっていきます。
服用から1~3か月程度で抜け毛の進行が抑えられ、細い毛が生えてきます。さらに3か月が経過するうちに、毛髪が太くしっかりした毛に成長し全体の見た目に変化が。半年以上経てば、状態が安定します
途中でミノキシジルの使用をストップすると元の脱毛状態に戻ってしまうので、注意しましょう。
あわせて知っておこう!ミノキシジルの副作用
AGA治療薬として効果が高いミノキシジルですが、多毛症だけでなく他の副作用についても報告されています。
国内のAGA専門治療クリニックで治療を受けるのであれば、副作用についての説明が受けられます。通販等で購入の場合は、副作用のリスクを理解した上で購入するかどうかを検討する必要があるでしょう。
ミノキシジルの副作用には次の症状があります。
- 内服薬・・・低血圧・むくみ・勃起障害
- 外用薬・・・湿疹等、皮膚の症状・頭痛・胸の痛み
それぞれの詳細について解説します。
むくみ・動悸・息切れ|血管が拡張するため
ミノキシジルを内服薬として用いた場合、いくつかの副作用が報告されています。
低血圧、高血圧、頭痛、動悸といった血管拡張による症状です。他にもめまいや、顔が赤くなるという症状を訴える人もいます。体がむくむという症状で副作用が現れることもあります。
性的不能や勃起障害など男性機能に影響が現れることがあります。性欲の減退を感じることも。それ以外でも、腎臓や肝臓に負担がかかり不調を引き起こすことがあるようです。
AGA治療でミノキシジルを飲むのであれば長期服用がマストですので、副作用リスクは高くなります。内臓疾患や慢性病など、持病がある人は特に注意が必要です。AGA治療時には必ず医師の判断を仰ぐようにしてください。
外用薬では湿疹、めまい、頭痛など
ミノキシジルの副作用が現れるのは、主に内服薬を使用した場合ですが、外用薬でも副作用の可能性はゼロではありません。
外用薬を使用した際の副作用は、湿疹や赤み、かゆみなど皮膚症状として現れることがあります。人によってはやけどのような症状が現れることも。
内服薬の副作用と同様、頭痛やめまい、胸の痛みを訴える人もいます。むくみやすくなったという報告もあります。
外用薬は皮膚から吸収され体内に取り込まれます。内服薬に比べて効果も副作用も低いといえますが、何かしら症状が現れることがありますので注意が必要です。
市販の外用薬を使用するのであれば、用法用量を守りましょう。持病がある人や、過去に同様の症状を感じたことがある人は、使用前に医師に相談しましょう。
もしも副作用がみられたら?クリニックに相談しよう!
AGAの治療をする中で、副作用と思われる症状が現れた場合は治療をしているクリニックに相談しましょう。
副作用は、直ちに薬を中止する必要がある症状もあれば、上手に付き合っていくことができる症状もあります。見極めは素人ではできません。医師の判断に委ねましょう。
副作用が現れたからといって自己判断で薬を飲むことを辞めてしまうと、これまで行ってきたAGA治療がすべて無駄になるということがあります。
副作用については、薬を減らす、他の薬に変更するなどで対処ができることがあります。薬を減らす量などは自己判断ではできません。クリニックの指導に準じて上手に薬を使うようにしてください。
AGA治療は、脱毛症状だけでなく、体全体に影響がありますので、持病やアレルギーなど心配なことは治療前に医師に伝えておくことでトラブルを回避することができます。
他のAGA治療薬の副作用は?多毛症の可能性はある?
男性型脱毛症AGAについて専門クリニックで治療を受ける場合、使用されるのはミノキシジルだけではありません。
AGA治療に使われる代表的な薬に「プロペシア」や「ザガーロ」があります。それぞれの薬についても、副作用があるのか。あるのであればどんな副作用なのか。多毛症の原因になるのか、などが気になります。
プロペシアやザガーロについても、ごくまれに副作用が起こることがあります。では、ミノキシジル以外のAGA治療薬の副作用についてみていきます。
プロペシアやザガーロは【治療目的】が異なるため
AGA治療で用いられるプロペシアは、前立腺肥大症の治療薬として生まれました。発毛効果が認められたことから、AGAの治療薬として用いられるようになったという経緯があります。
「プロペシア」や「ザガーロ」は、AGAの原因となる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」の生成を阻害することで、毛髪の成長を促す。
ジヒドロテストステロンが体内で増えると、髪の成長の妨げとなり十分に成長することのないまま通常より短い期間で髪が抜け落ちてしまいます。
プロペシアやザガーロを服用することで、ジヒドロテストステロンが減少し抜け毛や、髪の成長不全が少なくなり健康な髪を取り戻すことができます。
ミノキシジルとは違うアプローチで髪の元気を引き出す治療薬です。
体毛には影響なし!稀に【副作用】があることも
プロペシアやザガーロは、ミノキシジルとは違うメカニズムでAGAの改善に働きかけます。そのため、プロペシア、ザガーロで多毛症になることはありません。
プロペシア、ザガーロは安全性の高い薬として知られていますが、稀に副作用がみられることがありますので注意が必要です。
副作用としては、性欲の減退、勃起不全、肝機能障害が挙げられます。うつ症状を訴える例も報告されています。これらの症状が感じられたならすぐにクリニックに相談が必要です。プロペシアやザガーロは、必ず医師の指導のもとで適切に服薬しましょう。
個人輸入でプロペシア等を手に入れる方法もありますが、副作用や品質の面から控えるのが安心です。
【必読】体毛が濃くならないための3つの予防法
AGA治療において、ミノキシジルの使用は有効であると同時に、多毛症というリスクがあります。ミノキシジルを使うのであれば、長期戦になりますので、体毛とも付き合っていくことを考えなければなりません。
体毛が濃くなるのが嫌だという人は、そのための予防や対策を考えておく必要があります。
ミノキシジルを使いながら体毛が濃くなることを防ぐ方法は3つあります。
- 外用薬を使用する
- 脱毛処理を受けながらミノキシジルを服用する
- 頭皮のみにアプローチする方法を選択する
それぞれについて、さらに詳しく解説します。
① 内服薬ではなく外用薬で治療する!頭皮のみに効果
ミノキシジルの効果をある程度は得ながら体毛はそのままでいたい、という人には外用薬の使用がおすすめです。外用薬は頭皮に塗って使用します。
外用薬は内服薬に比べ、脱毛抑制、育毛効果は低くなりますが多毛症といった副作用は回避できます。
ただし、ミノキシジル外用薬に副作用がないわけではありません。湿疹、赤み、かゆみといった皮膚トラブルや、頭痛、胸の痛みが起こることがあります。医師の指導の元で使用しましょう。
ミノキシジル外用薬は市販のもので手に入れることができますが、注意書きに沿って使い、副作用が現れた場合は医師の診断を受けるのが安心です。
② 服用しながら脱毛を!方法次第では費用がかかる…
ミノキシジルは内服薬を飲むことでAGAの治療効果は随分よくなります。ミノキシジルを内服しAGA改善の効果を得た上で、体毛対策がしたいという人には、脱毛がおすすめです。
ミノキシジルでAGA治療を行うのと並行して、脱毛サロンに通えば、頭部を育毛しながら、体の毛を減らすという、両方を叶えることができます。
全身の脱毛施術をサロン受けるのであれば、15万円~程度の費用がかかります。AGA治療も決して安価ではありませんので、両方となると大きな出費となります。
面倒ですが、自分で脱毛処理を行えば、サロンに通うよりも安くできます。顔や腕など目立つ部分を中心に自分で脱毛を行うのもひとつの方法です。
③ 注入治療の選択!育毛メソセラピーやHARG治療
AGA治療の効果はできるだけきちんと得たい。しかし、体毛が増えるのは絶対に避けたい人には、育毛メソセラピーやHARG治療という方法があります。
育毛メソセラピーとは、育毛に必要な成分を直接頭皮に注入する方法です。頭皮にしっかり効果が得られるだけでなく、改善効果が早く得られるのが特徴です。
HARG治療は、細胞幹を元に作られた有効成分を頭皮に注入します。内服薬等に比べて効果、安全性ともに高いとされています。また、AGA以外の脱毛症状にも効果が発揮されます。
育毛メソセラピーや、HARG治療は内服薬、外用薬と並行して用いられることが多い治療法です。育毛メソセラピー、HARG治療を単独で受けられるかどうかについては、専門クリニックでの相談が必要です。
まとめ│多毛症の予防法を知って上手に乗り切ろう!
AGA治療薬ミノキシジルの副作用で多毛症が起こることについて、副作用の理由や予防法をご紹介しました。
男性型脱毛症AGAは、専門クリニックで治療を受けることで改善が見込まれる症状です。AGA治療には、一般的に薬が用いられます。医療機関で手に入る治療薬は効果が大きい分、副作用がゼロではありません。
ミノキシジルについては、多毛症などの副作用が現れることがあります。
薬を飲むときにはリスクを知り、副作用が現れた場合は直ぐに医師に相談することが大切です。自己判断はトラブルを大きくする元になります。
ミノキシジルで多毛症になることはありますが、できるだけ避ける方法はあります。予防法を正しく知って、副作用を上手に乗り切りましょう。