最近髪が薄くなってきたと感じる方は、頭がハゲるのはなぜなのか気になっているのではないでしょうか?男性型脱毛症(AGA)の原因は男性ホルモンだと聞いたけれど、本当は?と気になっている方のために、今回はAGAの原因について徹底的に解説します。
これを読めば、薄毛のメカニズムや予防法が分かります。薄毛の原因を知って薄毛予防に役立てたい方は、ぜひ参考にしてみてください。今日からできる対策で、健康的な髪を作りましょう!
目次
男性の8割以上が悩む?AGA(男性型脱毛症)とは

AGAとは、男性型脱毛症のことで、男性の8割以上が悩むといわれています。主に男性ホルモンが原因の薄毛の症状があり、思春期を過ぎた頃から徐々に抜け毛が目立ちはじめ、20歳を過ぎてから薄毛の症状に悩まされるようになるのが一般的な特徴です。
AGAは、頭頂部や髪の生え際が薄くなることも特徴で、どちらか一方または両方の症状に悩まされることがあります。頭頂部が薄くなるO字ハゲや、額の生え際が後退するM字ハゲは、AGAの特徴的な症状です。
主に30代から目立ち始めるのが一般的ですが、10代後半や20代でも若ハゲの症状が出始めることがあります。主な原因となる男性ホルモンが分泌され続けているうちは、AGAの症状は進行し続けるので対策が必要です。
ヘアサイクル(毛周期)を知ろう!男性は通常2~7年

薄毛のメカニズムを知るためには、まずはヘアサイクル(毛周期)を知っておく必要があります。1本の髪が成長して立派な太い毛になり、抜け落ちるまでには、いくつかのステップを踏んでいます。
- 成長期(2~6年間)
- 退行期(約2週間)
- 休止期(約3~4ヵ月)
これがヘアサイクルと呼ばれる毛周期で、男性では通常2~7年間が正常なヘアサイクルといわれています。そして、通常の男性の成長期は2~6年間なのですが、成長期が数ヵ月~1年と極端に短くなってしまうのがAGAの特徴です。
髪が十分に成長しないまま細くなってしまうため、髪のボリュームが減り少なく見えてしまいます。また、成長する機会を失った毛は抜け落ちやすくなってしまうため、脱毛が進んでしまうのです。
【図解】薄毛のメカニズムは?成長期が短くなり薄毛に
薄毛のメカニズムは、男性ホルモンの影響により成長期が短くなり、薄毛になってしまうというものでした。ここからは、図を見ながらさらに詳しく解説していきます。具体的なメカニズムは、以下のとおりです。
- テストステロン+酵素⇒【ジヒドロテストステロン(DHT)】へ変化
- ジヒドロテストステロン(DHT)の増加で薄毛が促進・・・
それぞれのメカニズムについて、具体的な男性ホルモンの名前をあげながら分かりやすく解説します。
男性ホルモン+酵素⇒【ジヒドロテストステロン】へ
AGAは、男性ホルモンが酵素と結びつくことで発生します。以下のような式が成り立ちます。
男性ホルモン「テストテロン」+酵素「Ⅱ型5αリダクターゼ」
=ジヒドロテストステロン(DHT)
さらに、毛乳頭細胞にある受容体と結びつくことで、毛を作りにくくします。
DHT+アンドロゲンレセプター(受容体)⇒毛母細胞の増殖を抑制
このアンドロゲンレセプターは、毛が薄くなりやすい頭頂部や額の辺りに多く分布されています。しかし、後頭部や側頭部にはあまり存在しないため、この結合が起こりません。これが、AGAではつむじ周りやおでこが薄くなっているのに頭の横や後ろには毛が残る理由です。
AGAは、「男性ホルモン」と「酵素」、そして「アンドロゲンレセプター」という受容体によって引き起こされるのです。
ジヒドロテストステロン(DHT)の増加で薄毛が促進
ジヒドロテストステロン(DHT)の増加は、薄毛の促進へとつながります。しかし、男性ホルモンの分泌を抑えればDHTが生成されなくなるというわけではありません。
男性ホルモン「テストステロン」が不足してくると、体がテストステロンを補おうとして酵素との結合を進めてしまい、結果的にDHTが増えてしまうことになります。
DHTを抑制するには、以下の方法が有効です。
- DHTを抑制する薬を処方してもらう
- 生活習慣を改善する
DHTを抑制する薬は、AGA専門クリニックで処方してもらえます。男性ホルモンは、ある程度遺伝や体質の影響もあるので、投薬治療で進行を予防することも効果的な方法です。
また、ストレス解消や生活習慣の改善もAGAの予防には最適です。睡眠や運動、シャンプーの仕方など身近なことでも薄毛の進行は抑えられます。
早めの対策が肝心◎自宅で【簡単セルフチェック】

AGAは、早めに対策することで大きな成果が期待できます。なるべく髪の多い状態から対策することで、今の状態をキープすることができるからです。まずは自宅で簡単にできるセルフチェックで、薄毛の状態を把握しておきましょう!
以下の10項目の中で、当てはまるものを選んでみてください。
- 朝目覚めた瞬間から憂鬱なことが多い
- コンビニ弁当や外食が多い
- 魚より肉を多く食べる
- 果物を食べる習慣がない
- 定期的な運動を全くしていない
- 階段よりエスカレーターを選ぶ
- タバコやお酒が大好き
- 睡眠時間が6時間以下
- 寝る前にスマホやテレビを見る
- シャンプーはゴシゴシ洗っている
10個のうち、5個以上当てはまった方は生活習慣が乱れて薄毛が進行しやすい状態です。生活習慣を見直し、薄毛の進行を食い止めましょう!
【必見】今日からできる!薄毛の予防法を9つ紹介

薄毛のメカニズムが分かってなんとかしたいと思っても、何をしていいのか分からない方も多いでしょう。そこでここからは、毎日のすき間時間に行いやすい薄毛の予防法を紹介します。おすすめの薄毛の予防法は、以下の9つです。
- ストレス発散
- 食生活改善
- 適度な運動
- 生活習慣の改善
- 十分な睡眠
- シャンプー
- 育毛サプリメント
- 育毛剤
- クリニック
どれもちょっとした心がけでできる髪を健康にするための方法です。気負わずに少しずつ、できることからはじめてみましょう。それぞれの薄毛予防法について、詳しく解説します。
①【ストレス発散】ホルモンバランスの乱れを防ごう
ストレスを溜め込むと、ホルモンバランスが乱れてDHTが多く生成されてしまうといわれています。
また、ストレスを受けることで全身の巡りが悪くなるので、頭皮の血流が悪化してしまいます。すると、血液によって流れる栄養素が運ばれずに、栄養が行き渡らなくなります。
さらに、ストレスにより睡眠不足が続くと、必要な栄養素が補給できなくなります。しかし、薄毛だけでなく様々な体調不良を起こすストレスは、全て排除することはできません。
ストレスを受けないようにするのではなく、受けたストレスは発散できるようにしておくことが大切です。カラオケや軽い運動など、ストレス発散できる方法を探しておき、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
②【食生活改善】タンパク質・ビタミン・亜鉛を摂取
薄毛に効果的な食べ物を積極的に摂ることも、薄毛対策として有効です。必要な栄養素を摂取することが、若々しい髪への効果的な対策となります。
- たんぱく質(髪を作る)
- ビタミン(髪や頭皮に栄養を与える)
- 亜鉛(男性ホルモンと結びつきDHTを作り出す「5αリダクターゼ」の生成を抑える)
- イソフラボン(抜け毛を予防する)
これらの薄毛に効果的な栄養素を摂取することを心がけましょう。また、脂っこい食事は控え、野菜や果物を中心としたバランスの良い食事を意識してとることも薄毛予防に役立ちます。
食生活の改善は、薄毛対策として効果的ですが、美容や健康、精神面の安定の面でも特に重要です。健康的な生活は人生を豊かにしてくれるので、日頃からたくさんの食材を食べ、1日3食リズムのある生活を心がけましょう。
③【適度な運動】ジョギングなどの有酸素運動で血流改善

全く運動していない方は、頭皮環境が悪化して皮脂量が増え、髪がべたつきやすくなります。適度な運動で、血流を改善することで頭皮の巡りが良くなり、ハリのある抜けにくい髪が生えやすくなります。
また、DHTは汗と一緒に体外に排出されるので、運動は薄毛予防に最適です。薄毛におすすめの運動は以下のような有酸素運動です。
- ジョギング
- ウォーキング
- 軽いストレッチ
とはいえ、いきなり激しい運動をするのでは、長続きしません。軽い運動でも毎日続けて血行を良くすることが大切です。毎日の運動習慣として、普段エスカレーターを使っている方が階段を使うだけでも良い薄毛対策となります。
無理のない範囲で、できるだけ体を動かすことで健康的な生活をするようにしましょう。
④【生活習慣の改善】毎日のタバコやお酒を控えよう
タバコを吸ったりお酒を飲む習慣がある方は、なるべく控えることも大切です。タバコを吸うと、血管が収縮するため血流が悪くなり、毛の成長に必要な栄養素が運ばれにくくなります。
また、タバコはビタミンを破壊してしまうため、髪や頭皮に必要な栄養を奪ってしまうので、なかなかやめられない方は、吸う頻度を減らすことをおすすめします。
そしてお酒も薄毛には悪影響を与えてしまう習慣のひとつです。飲酒をすると、アセトアルデヒドという成分が作られ、血液中の栄養や酵素を押しのけてしまいます。また、男性ホルモンと結合してDHTを作る酵素「5αリダクターゼ」を大量に生成してしまうため、薄毛になりやすくなってしまいます。
タバコやお酒はそう簡単にやめることはできないものですが、薄毛になりたくない方はなるべく量を減らすようにしましょう。
⑤【十分な睡眠】質の高い睡眠で成長ホルモンを分泌
睡眠時間は、薄毛と密接な関係があるといわれています。髪や頭皮を修復して強くするのが成長ホルモンの役割です。しかし、その成長ホルモンが活発に生成されるのが寝ている間なので、睡眠時間が短いと髪や頭皮を修復する時間が足りなくなってしまうのです。
最低でも6時間の睡眠をとることで、薄毛をしっかりと予防していきましょう。また、質の良い睡眠を心がけることも大切です。
- 寝る直前に食べない
- 寝る直前にスマホを見ない
- 寝る直前に入浴しない
- 室温を快適な温度に保つ
- 着心地の良いパジャマを着る
- 快適な枕と布団で寝る
- 好きなアロマを焚く
このようなことを意識して、睡眠の質を上げていくことでしっかりと睡眠がとれ、抜け毛が減っていくでしょう。
⑥【シャンプー】正しい洗い方で頭皮を健康で清潔な状態へ
シャンプーの仕方によって頭皮や髪のコンディションが大きく変わります。頭皮のトラブルは薄毛の敵。正しい洗い方で頭皮を清潔な状態にキープしておきましょう。
薄毛の方が気をつけたい正しいシャンプーのやり方は、以下のとおりです。
- シャンプー前にブラッシングをする
- 頭皮をマッサージしてもみほぐす
- 水だけで頭皮まで念入りに洗う
- シャンプーで地肌を洗う
- すすぎは丁寧に行う
シャンプー前のブラッシングなどは、やらなくていいような気がして飛ばしてしまいがち。しかし、髪の絡みをとることで洗っているうちに髪がひっかかって抜け落ちるのを防ぐ大切なステップです。
頭皮を触るときは、指のはらでやさしくマッサージするようになでるのがポイント。爪を使って必要以上に強く洗ってしまうと、頭皮がダメージを受けて頭皮がボロボロの状態になってしまうので注意しましょう。
⑦【育毛サプリメント】育毛成分を手軽に毎日摂取しよう!

食事で栄養をとることはできますが、毎日となると難しいと感じる日もあります。そんな日には、育毛サプリメントで髪や頭皮に必要な栄養素を補給するという方法もあります。
サプリメントなら、ちょっとしたすき間時間でさっと飲むことができるので、忙しい方でも手軽に栄養を補給することができます。
- 亜鉛
- ビタミン
- ノコギリヤシ
- イソフラボン
「亜鉛」や「ビタミン」は髪や頭皮の栄養不足を補う成分、「ノコギリヤシ」や「イソフラボン」は抜け毛を防ぐ成分です。育毛サプリメントでは、成分を体の内側から補うことができるので、食事から栄養を十分にとれていないと感じる方に向いています。
これ以上抜け毛が増えないようにしたいと思っている方は、手軽な薄毛予防として使ってみるのも良いでしょう。
⑧【育毛剤】成長サポート&男性ホルモンDHTの分泌を抑制
最近では、ドラッグストアで購入できる育毛剤も続々と増えてきています。育毛剤に期待できる効果は以下のようなものです。
- 毛母細胞を活性化させ毛の成長をサポート
- 血管を拡張して血流を良くする
- DHTの分泌を抑制して抜け毛を防ぐ
- 頭皮トラブルを防ぐ
育毛剤は、AGAによる薄毛を進行させない効果が期待できる他、フケやかゆみも予防してくれるおすすめの薄毛対策です。頭皮に直接塗るため、フケやかゆみへの効果はすぐに感じられることもメリットのひとつ。頭皮のフケやかゆみに悩む方におすすめです。
また、育毛剤を塗り込むときに、頭皮マッサージをすると効果を最大限に引き出すことができます。頭皮マッサージで柔らかくなった頭皮に、育毛剤の成分が浸透しやすくなるので、マッサージも同時にしてみましょう。
⑨【クリニック】一人一人に合わせた予防・治療方法で対応
家庭でのケアでは満足できない方や本当にやり方が合っているのか不安な方は、クリニックの受診を検討してみましょう。インターネットで検索しても数多くのクリニックが見つかります。
AGA専門クリニックでは、同じAGAの患者を数多く受け持った経験があるので、一人一人のAGAにぴったりの治療法で対応してくれます。プライバシーに配慮してくれるクリニックも多く、個室でカウンセリングしてくれる場合がほとんどなので、初めての方でも安心です。
最近では、2回目以降は遠隔治療を行ってくれるクリニックも多いので、以下のような方でも診療が可能です。
- AGAのクリニックに行っていることを周囲にバラしたくない方
- 忙しくて通院のひまがない方
- クリニックが近くにない方
専門医の判断のもとで、的確な治療を受けたい方はクリニックを受診してみましょう。
まとめ|今日からできる対策で薄毛を予防しよう!
男性の薄毛は、男性ホルモンが大きな原因となることがほとんどです。そして、男性ホルモンと同じくらい重要な原因が、生活習慣です。今回ご紹介した対策で、男性ホルモンの分泌を抑えながら生活習慣を見直していくことで、薄毛を予防することができるはずです。
対策の多くは、今すぐはじめられるものなので、できることから少しずつはじめてみましょう。また、続けられるように無理のない範囲で行うことも大切です。小さなことでも毎日続けて行うことで、大きな成果となってあらわれるでしょう。
今日からできる対策で薄毛を予防し、これから先も今の状態をキープすることで、将来つるつるのハゲになることもなくなるはず。若いと言われる未来の自分を目指しましょう!